「太田泰友の標本室」と題された本展は、太田泰友が2017年の帰国以降も取り組みつづけているブックアートの可能性をまとめ、標本室のように総覧できる展覧会です。FRAGILE BOOKSの「フラジャイル博覧会」と銀座 蔦屋書店の「2会場」で同時に開催します。本でありながら本ではない、そのあいまいなところを極めて美しい本に仕立てた、本の異形、本の異体、本の標本を、どうぞご覧ください。
「太田泰友の標本室」
FRAGILE BOOKS期間:2022年4年13日(水)- 4月30日(土)
場所:フラジャイル博覧会
詳細:フラジャイル博覧会|太田泰友の標本室
< 銀座 蔦屋書店 >
期間:2022年4年1日(金)- 4月22日(金)
場所:銀座 蔦屋書店 アートブックフロア(東京都中央区銀座6-10−1 GINZA SIX 6F)
詳細:銀座 蔦屋書店 5周年記念展示|太田泰友の標本室
展覧会概要
太田泰友の標本室
「自分らしい方法で〈本〉を作りたいと思うようになってから、12年ぐらいの時間が経った。一回りだ。この間に制作してきた〈本〉にもいろいろあるが、作品毎に新たな〈本〉の一面を発見させられる。尽きることがないようだ。それだけ奥深いメディウムなのだろう。一つの作品で見ることのできる〈本〉の特徴は多様に広がる全体のほんの一部分にすぎない。その一部分の集合から見えてくるものをこの博覧会で標すことができたら、この魅惑のメディウムのことをまた一つ知ることができるだろうか。まだ一回りだ。」
- 太田泰友
太田泰友は、美術作品としての本の歴史が脈々と受け継がれるドイツで、ブックアートの最高学位であるマイスターシューラー号を取得した初めての日本人アーティストです。どんなものでも本に仕立てられる高度な製本技術とやわらかな感性によって織りなす独自のブックアート作品の数々は、これまでハーバード・ライブラリー、ドイツ国立図書館、うらわ美術館など国内外の美術館、図書館、アートギャラリーに収蔵されてきました。
2017年には日本に活動拠点を移し、ウィリアム・モリスにはじまる総合芸術としての本のあり方をさらに拡張しながら、「ブック」と「アート」をつなぐ前人未到の作品世界を追求しています。2020年の「ポーラ ミュージアム アネックス展2020-真正と発気-」展では、椅子やテーブル、フォークや鏡など、身の回りの家具に本が寄生するオブジェ作品群「Book Para-Site」を発表しました。「本」をアートの題材にする彫刻家や前衛芸術家が見落としてしまうような小口やミゾ、チリや花布、スピンやノンブルなどの細部に宿る本らしさの再発見は、太田泰友の真骨頂といえるでしょう。 銀座 蔦屋書店では、本がサナギのように木の枝に身を寄せる「Pupal」シリーズをはじめ、「Book Para-Site」から派生した新作など、意欲的な立体作品やオブジェ作品を中心に展示します。 フラジャイル博覧会では、ドイツ時代に発表した「めくる系」を中心に、太田泰友によるブックアートの傑作をオンラインで一挙公開します。
「自分らしい方法で〈本〉を作りたいと思うようになってから、12年ぐらいの時間が経った。一回りだ。この間に制作してきた〈本〉にもいろいろあるが、作品毎に新たな〈本〉の一面を発見させられる。尽きることがないようだ。それだけ奥深いメディウムなのだろう。一つの作品で見ることのできる〈本〉の特徴は多様に広がる全体のほんの一部分にすぎない。その一部分の集合から見えてくるものをこの博覧会で標すことができたら、この魅惑のメディウムのことをまた一つ知ることができるだろうか。まだ一回りだ。」 - 太田泰友
銀座 蔦屋書店
太田泰友の標本室
「標本室」の展示風景。ご覧の通り、たぐいまれな造本力でなんでも本にしてしまう。