《 2023年4月9日-10日 》
普段はアポイント制のFRAGILE BOOKSのアトリエを開放し、2023年4月9日(日曜日)と10日(月曜日)の二日間でOpen Dayを開催しました。天候に恵まれ、春風も心地よく、各回とも満席。両日ともRivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)のおふたりを迎え、展覧会「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」の作品を囲んで、ご相席のみなさんと語らいました。
參加いただいた方は、PAPIERLABO.の江藤公昭さん、折形デザイン研究所の西村優子さん、POSTALCOのマイク・エーブルソンさん、友理さん、写真家のエバレット・ブラウンさん、アートディレクターの小熊千佳子さん、プリンティングディレクターの平井彰さん、などなど。ほかにも照明メーカー、金融機関にお勤めの方や、日本文化のプロデューサーなど、職業年齢ともさまざま。初対面でのご相席にも関わらず、じかに作品に触れながら、次の人に手渡していくさまは、まるで茶会のようで、少人数の心地よい親密さのなかで、たいせつな作家とその作品に触れ合えて、しあわせに思います。当日は、アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、ダンテ、白井晟一、ウィリアム・モリス、エルジェ、シモーヌ・ヴェイユなど、ふたりの作家が恋い慕ってきた25名の先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」作品が目の前に。それぞれの人物にまつわる話を聞きながら、作品を手にとって光に透かしたり、匂いをかいだり、撓ませたり。サイトの画像では伝わらない手触りや質感を体験しました。ガラスケースに閉じるのではなくて、作家を囲んで物語を聞きながら、その作品に直に触れられることの豊かさをあらためて感じた二日間になりました。紙は、製造方法、作られた場所、作った人、保管された状態によって、質感や特性が一枚一枚大きく異なるもの。Rivotorto Piecesは、一枚の紙を裂き、編み、貼り合わせ、ときに着色し、ときに水洗いして、新しい作品へと変貌させます。編み込むプロセスでは、紙と紙が重なる部分に「空気が抱き込まれる」ので、手のひらに乗せたとき、ほんのりと温かい。
Rivotorto Piecesは、紙ということばを使い、25名の人物像を見事に立ち上げました。縦と横に走らせた紙は、光を受ける度にその表情を変えて、私たちの指先と眼に語りかけてくれました。作家の声に耳を傾け、両手の中で紙に編み込まれた「ことば」をそっと読み取る行為は、一冊の本を読んでいるようでした。FRAGILE BOOKSは、今後も、取り扱いに注意がいる作品を直に触れることができるOpen Dayを不定期で開催します。DMハガキ、オンライストア、Instagramでご案内しますので、ご興味のある方は、こちらからメンバー登録をお願いします。
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参加いただいた方の声を一部ご紹介します:
「予約制少人数でのオープンスペースということで、アーティストの方から作品についてじっくりお話を伺うことができ豊かで濃い時間でした。制作と生活。手と目。紙と本。お2人の制作の姿勢に学ぶところ多く、素晴らしいなぁと。」
ーーー小熊千佳子さま(アートディレクター)
「はじめて彼らの作品を拝見した時から、作品自体もすごく惹かれていたのですが、その中にあるストーリーの思慮深さを知り、虜になった気分です。共有していただき、感謝しています。素敵なアトリエも感動でした。」
ーーー西村優子さま(アーティスト)
「紙が、光によってこれほど表情を変えることを初めて意識させられました。色、質感もすべて、光の強さや角度によってまったく違いました。これらの作品を通じて見る光はなんとも美しいものでした。」
ーーーエバレット・ブラウンさま(写真家)
「何の前知識もなかったものの、届いたDMが素敵で申し込んでしまいました。普段はクリエイティブな仕事とは縁の遠い世界にいますが、こうして直接作家さんから創作秘話を聞くことができて良かったです。作品1点1点についてこんなに深く面白い物語があるなんて、まるで皆さんと一緒に旅に出掛けた気分でした。」
ーーーワタナベナオコさま(会社員)
主催:FRAGILE BOOKS