限定200部の“持ち運べる美術館”として
濱田祐史の写真集「light there」を刊行します。
写真とは何かを問い続けてきた濱田祐史の新境地は、フィルムを使わず「そこにある光」を採集することでした。はじまりはコロナ禍の2020年。アルミの感光板に見えない紫外光を焼き付けた前代未聞の実験から、限定200部の箱型写真集「light there」を出版します。
「Portable Museum(持ち運べる美術館)」として企画された本書には、20枚の写真プレートとともに未使用の「アルミの感光板」を1枚収録し、露光後にそれを送ると濱田祐史が現像して返してくれる、という試み付きです。身近な見えない光に触れるプロジェクトに、どうぞご参加ください。東京と京都で開催する出版記念展では、オリジナルの作品数十点も展示します。
発行人 櫛田 理
出版概要
light there
写真:濱田祐史
企画+編集+発行:櫛田 理
アートディレクション+デザイン:尾中俊介 (Calamari Inc.)
翻訳:ミヤギフトシ
発行:FRAGILE BOOKS
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付録:アルミの感光板
言語:日本語/英語
部数:限定200部(ナンバー・サイン付)
刊行日:2023年12月1日
定価:24,000円(税込)
詳細および購入はこちらへ:FRAGILE BOOKS(フラジャイルブックス)のオンラインストア
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写真家メッセージ
2020年、ぼくは紫外光にだけ反応するアルミニウムの板 (PS版) をフィルム代わりにつかう撮影実験をしていた。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下、外出自粛の夏の終わりに、最初の実験を決行した。アルミの板をハンドカットして、それを装填したホルダーをカメラに入れて、東京の夕暮れを撮った。ただそこにある光を集めることが重要で、目に見えている対象は重要ではなかった。無心になって見えない紫外光と向き合い、絶句するほど長い露光時間を待った。時間をかけて焼き付いた見えないイメージは、現像の過程ではじめてその姿をあらわす。そのことに純粋なよろこびを感じながら、日光浴したみたいに熱を帯びた薄いアルミの板をつくり続けた。(写真集「light there」より引用)
濱田祐史
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出版記念展
東京 期間:2023.11.18 ― 12.5
場所:BOOK AND SONS (東京)
住所:目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番
※オープニング
11/18(土)17:00~19:00 作家在廊・申込不要・参加費無料
京都 期間:2024.1.14 ― 1.28
場所:MEDIA SHOP (京都)
住所:京都市中京区河原町三条下る一筋目東入る大黒町44 VOXビル
トークイベント
濱田祐史 ✕ 鈴木理策
日時:2023.11.26 (日) 17:00~18:30
場所:BOOK AND SONS
住所:東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番
定員:20名
参加費:1,650(税込)
申込方法:BOOK AND SONSのHPブログで11/18の展示開始とともに予約受付開始
※先着順
ワークショップ
『light there』刊行を記念して開催する濱田祐史のライトゼア・ワークショップ。フィルムの替わりに「アルミの感光板(PS板)」を使う、たった数十秒間の原始的な写真体験です。子供から大人まで、だれでも参加できます。
日程:12月3日、9日、10日、17日の4日間 (各回午前と午後の2回)
参加費:3,000円 *年齢問わず学生は1,500円
場所:FRAGILE BOOKS アトリエ
住所:東京都目黒区東が丘1-16-17 泰山館
お申し込みはこちらから
Profile
濱田祐史 Yuji Hamada
1979年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。東京を拠点に国内外で作品を発表している。写真の原理に基づき概念を構築し、自身の記憶、偶然などを介して写真の多様な表現機能に根ざしたパフォーマティブな作品を制作。近年の展覧会に「沈潜と蒸留」(ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション、2020年)、「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」(東京都写真美術館、2019年) 、個展に「Incidence and Reflection」(PGI、2022年)など。出版物に「photography?end」(magic hour edition、2022)、「Primal Mountain」(torch press、2019)などがある。
主催:FRAGILE BOOKS