クラッカー

Bibliographic Details

Title
祭りの抜け殻
Artist
Shigenori Tsuzuki / 都築 重則
Year
Showa era / 昭和期
Size
φ150 × h120mm
Weight
85g
Materials
Paper
Condition
The colored paper is old and deteriorated and may be torn. / 色紙が古く劣化している為、破れる場合があります

祝祭のあとの
このなんとも言えない姿が
たまらなく好きです。

ぼくは、お祭りや飲み会やパーティーなど、たくさんの人でにぎやかな場所が苦手です。パーティーに至っては、ほんとうにこの世に実在するのか疑っているほど、縁がありません。その反面、騒々しい催しの後にやってくる物寂しさ、誰もいなくなった教室の切ない感じが、なんとも言えず好きでした。

終わっちゃったね。というあの感じです。
喧騒の痕跡にも、おなじ気持ちになります。いまだに存在を疑ってやまない”パーティー“で使われるクラッカーの残骸は、なんとも言えない寂しさを帯びています。 祭りの後の哀愁。その哀愁を自分勝手に具現化させたものです。このクラッカーは古いため、色紙もすこし劣化して破れやすく、からまったりもしますが、その定まらない形にも“祭りのあと”が続いているのです。




Text by 都築重則