Charcoal Drawing Book

Bibliographic Details

Title
Charcoal Drawing Book
Artist
Anonymous / 作者不明
Year
between 1930~1989 / 昭和
Size
h306 × w 433 × d7mm
Weight
600g
Pages
44
Materials
Charcoal, Paper / 木炭、紙
Condition
Good, Few pages are missing./ 数ページ切り取られています。

The drawing is done with charcoal, so the color will fade when touched. / 木炭で描かれている為、触ると色落ちします。

核と平和のねじれた時代に
鉄塔と街並みの風景を描いた
無名作家のドローイング。

ぼくが住んでいる埼玉県、その北部に広がるだだっ広い平野に、電力を運ぶ血管である鉄塔が無数に乱立している場所があります。それを車で通りながら見るのがいつも楽しみで、信号待ちも苦にならない。運転中のよそ見はいけませんが。

その乱立に勝るようなドローイングが、ここには描かれていました。ページをめくる度に内面の深度が増していって、みるみる表出してくる精神性。その最深部がページの上にあるのです。正体のわからない作者のことが心配にもなってくる。

描かれた時期 (1951 年~ 1952 年) 日本では戦後復興で、東京電力、日本電信電話公社が発足。次々に架空線 (電柱や鉄塔) が普及していった時代にあたります。世界的には核実験の黎明期。この植物の様なドローイングも、どこか核実験との関連を重ねてしまいます。このドローイングはチャコールで描かれている為、炭が手に付きます。この作者も手を真っ黒にして夢中で描いたのかも知れません。



Text by 都築重則


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