お団子のようにも、
ホラーの小道具のようにも
見えてくる。

最近はあまり見かけなくなりましたが、以前はどっさり品物を出してくる業者さんを骨董市でよく見かけました。 ある日、そんなワイルドな掘り出し物の中で一際目立っていたものが、無造作に箱に入れられた人形のカシラでした。最初の印象は、まるで団子みたいだな、と。それを手に入れて悦に浸っていると、翌月の骨董市でもおなじ場所でおんなじ光景が。

さすがに「まさか、作っては、ないですよね？」 と店主に尋ねると「まさか、作ってはいないよ」と。聞けば小出しに売りたい、ということで。長期戦になりそうな予感。しかも毎回持って来てくれるわけでは無いので、あっても無くてもお互い半笑いで会釈。 こうして何度かに渡って、出ていれば持ち帰り一つずつ木箱に収めてみたのが、こちらです。ますます、団子のようになりました。

最初の感覚にもどって、やっぱり美味しそうだな、と思います。 そして勝手ながら、まとめてでしか売れなくなってしまったのでした。


Text by 都築重則