大地の答|ウィリアム・ブレイク
Bibliographic Details
- Title
- Earth's Answer / 大地の答
- Author
- William Blake / ウィリアム・ブレイク
- Artist
- Aya Coizumi / コイズミアヤ
- Year
- 2023
- Size
- h28 × w180 × d 148mm
- Weight
- 30g
- Materials
- Paperback (William Blake "Songs of Innocence and of Experience" translated by Bunsho Jugaku, Kadokawa Bunko) page, glue / 文庫本ウィリアム・ブレイク詩集『無心の歌、有心の歌』 寿岳文章訳 角川文庫)のページ、糊
- Edition
- Unique
- Condition
- New / 新品
Series of the amount and the location of the stories / 物語の量と在処シリーズ
本は手の中にあるけれど
物語の在処は
本とは別の地平にある
角川文庫『無心の歌、有心の歌 ー ウィリアム・ブレイク詩集』(訳 寿岳文章)に収録されている短編「大地の答」のページを切り刻み、一文字も落とさず、ランダムに糊で貼り合わせた作品。こちらも糊で重ねた効果か、縁に沿って、盃のように湾曲している。
素材に使用したのは、1999年刊行の『無心の歌、有心の歌』。初版は、イギリスで1794年に刊行された『無垢と経験の歌』(原題:Songs of Innocence and of Experience)です。『無垢と経験の歌』は「二つの対立する人間の魂の状態を示す(Shewing the Two Contrary Sates of the Human Soul)」という副題を持ち、銅版画職人として活躍していたウィリアム・ブレイクは、各詩にすべて手書きで彩色されたイラストレーションを施している。
無垢の歌は人間の純真さや明るさを示したのに対して、有心の歌は人間として生きる上で避けられない苦悩や辛さを荘重なことば遣いで表している。「大地の答」は、娘と父親という単純なことばを用いて人間と神を隠喩し、その関係性の歪さや複雑さを物語っている。
これまで、さまざまな書籍(物語)の文字を切り貼りし、その量と在処を追い求めてきたコイズミアヤが、今回はじめて挑んだ「図」。彩色された図が作品に新たな旋律を与えました。物語が解体され、文字となったひとつひとつのピースをできる限り意味を生み出さないように貼り合わせていく過程で、この作品は、作品の文字と図が混ざりながら織り込まれています。まるで、砂浜に寄せてはまた打ち返す波の如く、留まるところを知らずに、動きつづけているようにも見える紙片たち。そこには、日常をやさしい言葉で書きつづけたブレイクの面影が在ります。
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