縁日の金魚すくい。
弱い緊張を保ったままの紙。
ハリガネ製。

よくある事なのですが、同じものをたくさん仕入れて一人悦に入っていると、気に入って仕入れたのに、あとになってその物量にたじろいだり、途中で売り飽きてしまったりすることがあります。今回のポイも、全体の半分ほどになった時点で、その症状に。

”何かしたいなぁ”とポイを眺めながら、ふと、破ってみようと……それで、指で穴を空けては面白くないので、如雨露に水を入れて、滴り落ちる水の勢いを借りて破水させることに。水は徐々に紙全体に染みて行き、半透明に近づいた頃合いで、破れました。思っていた以上の出来映えです。ポイには少し申し訳ないけれど、あやうい緊張感を残したまま、可笑しさが生まれました。 無傷も良いけれど、それぞれの破れ方、それぞれの敗者に共感してしまうのです。 敗者にしたのは、僕ですが。

Text by 都築重則

＜破れ方の違いで6種類からお選びいただけます＞
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