Reading Ed Ruscha / エド・ルシェを読む
Bibliographic Details
- Title
- Reading Ed Ruscha / エド・ルシェを読む
- Artist
- Ed Ruscha / エド・ルシェ
- Editor
- Curator: Rudolf Sagmeister
- Designer
- Bernd Altenried, Stefan Gassner
- Director
- Director & Editor: Yilmaz Dziewior
- Images
- Photo by: Markus Tretter
- Publisher
- Kunsthaus Bregenz
- Year
- 2012
- Size
- h300 x w250 x d30 mm
- Weight
- 1830g
- Pages
- 286 pages
- Language
- German / English
- Binding
- Cloth Hardcover / 布装ハードカバー
- Condition
- Fine
50年以上かけて
ルシェが取り組んできた
ブックプロジェクトの目録。
エド・ルシェ(1937年生まれ)の「読むという行為」への関心と、彼が50年にわたり探求してきたアーティスト・ブックとの特別な関係に焦点をあてた一冊。ボーデン(コンスタンツ)湖畔にピーター・ズントー(ツムトア)が建築したブレゲンツ美術館(Kunsthaus Bregenz)で2012年に開催された『Reading Ed Ruscha』展にあわせて刊行された。展覧会やインスタレーションの様子を収めた図版など400点のカラー画像を掲載している。現在はカリフォルニア在住のルシェがパリで最初のワード・ペインティングを発表した1961年以来、言葉やフレーズはルシェの絵のシンボルやモチーフとしてたびたび登場してきた。オブジェとしての本もたくさん描かれてきた。ルシェが彼自身の方法で「読むという行為」を追い求める過程で、1962年から1978年のあいだに自主制作した16冊の小さなアーティスト・ブック(Twentysix Gasoline Stations / Various Small Fires…等)の存在は、アーティストブックの世界では伝説的ですらある。本書には、全16冊のすべてのページが収録されている。
巻頭の序文では、カナダ人の小説家、劇作家、美術家のダグラス・クープランドが、文学や詩のレンズを通してルシェのテキストを覗き見て、美術史家のベアトリス・フォン・ビスマルクは、作品として、出版として、展示としての書物を再検証するエッセイを寄せている。本書で編集を担ったキュレーターのイルマズ・ズィエヴォル(Yilmaz Dziewior)は、彼の言葉やアーティスト・ブックとルシェの関係を概観している。ルシェを知るための本の本としては、もっともよくできた一冊に仕上がっている。
Text by 櫛田 理