Friedrich II. | フリードリヒ2世
Bibliographic Details
- Title
- Friedrich II. / フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝)
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h265 × w190mm
- Materials
- Machine-made Washi paper / やわらがみ はけめ
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work, paper magnetic frame, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、紙製のマグネット式フレーム、保管用カルトン付き
ウラかオモテか、
白か黒か、相反する関係も
やがて表裏一体のはじまりへ。
どの時代の、どこの位置で向き合うかによって、その人への思いは白色にも黒色にも入れ替わる。それらが表裏一体となり、目まぐるしく変化する様は、フリードリヒ2世 (Friedrich II. / 1712-1786) の人生によくあらわれている。
歴史を見ていくと、何度も破門されて異端者扱いされたことや、無血で帰ってきた十字軍、北・中伊との死闘の争いから、どちらかと言えば黒色の姿で登場することが多いように思う。けれど、初めてフリードリヒ2世を意識したのが塩野七生さんの本の中だったからか、私にとっては白色の人として印象づけられている。
破門されても政教分離を掲げ、互いに攻め合っていた神聖ローマ帝国の内部を一つの国としてまとめあげようとした。さらには、法の整備、開かれた学びの場、言語の改革さえ動かした。
どう考えても、新しいビジョンを持って時代に立ち向かってきた、はじまりの人に思えてならない。
でももしかしたらと、白と黒の狭間のことを考えるようになった。何かをきっかけに黒色に替わるタイミングが来るのかもしれないし、来ないのかも知れない。ただそれは、紙の表裏を裏返すような簡単な入れ替えであり、絶対に裏返らないということはないことも知っている。
でも、いまは、白い面が私にとってのフリードリヒ2世なのである。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ 塩野七生『皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上』(新潮社)
◇ 塩野七生『皇帝フリードリッヒ二世の生涯 下』(新潮社)
◇ 塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』(新潮社)
◇ 堀越孝一『中世ヨーロッパの歴史』(講談社)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。