Mas d'Azil | マスダジル洞窟にいた人
Bibliographic Details
- Title
- Mas d'Azil / マス・ダジル洞窟にいた人
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h148 × w100mm (Not over this size)
- Materials
- Please see each product page for details / 詳細はそれぞれの商品ページを御覧ください。
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、保管用カルトン付き
マスダジル洞窟にいた人に捧ぐ。
24種の紙からこぼれ落ちた
紙々の断章。
紀元前9000年頃の遺跡とされるフランスのマスダジル洞窟 (Mas d'Azil cave) で発見された大量の平たい小石。そこには、赤褐色の顔料で複数の線や点がさまざまに描かれていた。
これらは何を意味しているのか、どのように使うのか、研究者たちの間でも未だ不明のまま。とは言え、「書く」という書字行為の先駆けであったことは確かかもしれない。
またそこには一種のデザインの萌芽があるように思える。
小石のサイズや形、使う顔料、筆記具、記す方法、バリエーション……。多くの小石に同じように記すためにはそれなりの計画が必要になってくるように思う。
まだ個人に名前なんて存在しなかった時代に、「個」の意思表示や識別する何かを、企画し、身体から別の物体へと記することは決して容易ではなかっただろう。
狩猟の時代。記すという、言語よりも圧倒的に遅いコミュニケーションで、生命の危険と隣り合わせになりながらも、確かに世界へと発信した彼らのしるしは、長い世紀を超えて、「かつてそこに」彼らがいたことを伝えてくれる。それは現代の私たちが「いまここ」にいることの因果を知るための種でもあるのかもしれない。
意味や用途は失っても、物に残る些細な行為の中に確実に誰かの意志が入り込んでいることを見逃したくない。24種の紙からこぼれ落ちてその意味を失った、この小さな端切のような紙たちにも。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ アドリアン・フルティガー『図説 サインとシンボル』(研究社)
◇ 松田行正『ZERRO』(牛若丸)
◇ 山崎正和『装飾とデザイン』(中央公論新社)
◇ ジョルジュ ジャン『文字の歴史』(創元社)
◇ ジョルジュ ジャン『記号の歴史』(創元社)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。