Michelange Buonarroti | ミケランジェロ・ブオナローティ
Bibliographic Details
- Title
- Michelangelo Buonarroti / ミケランジェロ・ブオナローティ
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h370 × w220mm
- Materials
- Plant dyeing paper(Indigo, chestnut) 、Amate paper/ 草木染紙 藍・栗、アマテ紙 白(メキシコ)
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work, paper magnetic frame, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、紙製のマグネット式フレーム、保管用カルトン付き
完璧主義者、
ミケランジェロに捧げる
未完の断章。
かつて《瀕死の奴隷 (Esclave mourant)》や《ブルータス (Brutus)》の彫り途中のノミの跡を追いかけ、その荒々しい美しさを繰り返しデッサンした。磨き上げられた面とそうでない面がつくるコントラストに魅了されていた。ミケランジェロ (Michelange Buonarroti / 1475-1564) の作品が好きだった。
その中でも、息を引き取るまで制作を続けた《ロンダニーニのピエタ (Rondanini Pieta)》は、いままでに観たどれよりも真に迫り、心動かされたのを覚えている。人生の終着点、89歳、最期の造形だった。まだ見ぬ《ヴァチカンのピエタ (The Pietà)》は全てを磨き上げ、誰がどう見ても完成した美がある、という。24歳の出世作となった。
ミケランジェロには「未完」の作品が多いと教えられてきた。が、実際にはどうなんだろうか。時代と人に翻弄されて、思い通りにならないことばかりだったはず。はじめに思い描いた「完成」とは違うものだったのかも知れない。
ただ完璧主義なミケランジェロが残したものに「完成していない」と思っているものなど果たしてあるのだろうか、とも思う。少なくともミケランジェロが手を止めたその瞬間のその形が、ミケランジェロにとっての「完成」だったのではないか。
紙を編んでいる手も、ここ、と思う瞬間で止めている。
やはりこれも「未完」ではなく「完成」になった気がしている。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ 木下長宏『ミケランジェロ』(中公新書)
◇ ジョルジョ ヴァザーリ『芸術家列伝3 ― レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ』(白水社)
◇ 河島英昭『ローマ散策』(岩波書店)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。