Pablo Picasso | パブロ・ピカソ
Bibliographic Details
- Title
- Pablo Picasso / パブロ・ピカソ
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h170 × w390 mm
- Materials
- Natural color paper black(Nepal) , Lokta paper black smooth(Nepal) / ナチュラルカラーペーパー黒(ネパール) ロクタ紙 黒スムース(ネパール)
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work, paper magnetic frame, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、紙製のマグネット式フレーム、保管用カルトン付き
ピカソに捧ぐ。
《ゲルニカ》への敬意をこめて
濃紺の紙を編む。
ピカソ (Pablo Picasso / 1881-1973) への敬愛は強い方だと思う。国内でも海外でもピカソの作品を追うように旅をすることがある。バルセロナのピカソ美術館で観た「ラス・メニーナス (Las Meninas)」のシリーズ、パリ国立ピカソ美術館で観た「肘掛け椅子に座るオルガの肖像 / Portrait d'Olga dans un Fauteuil」、西洋美術館で観た「ドラ・マールの肖像 / Portrait de dora maar」など、好きな作品を挙げたらキリがない。それでも、いままで観てきたどの作品よりも、まだ実物と会えないでいる《ゲルニカ / Guernica》のことをよく想い、考えている。
原田マハが『暗幕のゲルニカ』の主題とした衝撃的な事実。2003年2月、国連安全保障理事会での会見で、後ろにあった《ゲルニカ》のタペストリーに濃紺の布が被せられたあの日のできごと。いまも変わらず、反戦の象徴に布をかけるような出来事が世界中で起こっている。ピカソによって描かれてから80年以上も経っているのに、いまだに変わらない世界。ピカソだったら、どう思うだろうか。なんだか悲しい気分になる。
《ゲルニカ》は、ただ鑑賞するための芸術作品ではない。どんな想いで、あの当時のパリ万国博覧会(1937年のパリ万国博覧会 / Exposition internationale des Arts et Techniques dans la vie moderne, Expo 1937)にピカソが出品したのかを想像すれば、到底、布などかけることはできない。
ピカソが抱えた心の痛み。それに暗幕をかけないように濃紺になった一枚を、日々見つめる。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ 荒井信一『ゲルニカ物語 ピカソと現代史』(岩波書店)
◇ アラン・セール『ゲルニカ―ピカソ、故国への愛』(冨山書房インターナショナル)
◇ 原田マハ『暗幕のゲルニカ』原田マハ(新潮社)
◇ 岡村多佳夫『ピカソ ――巨匠の作品と生涯 Kadokawa Art Selection』(角川書店)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。