Shirai Seiichi | 白井晟一
Bibliographic Details
- Title
- Shirai Seiichi / 白井晟一
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h50 × w90 × d90mm
- Materials
- Handmade Washi made by Kenzo Miyake / 三宅賢三さんの漉き和紙
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work / 作品解説冊子付き
もろくてこわれやすく
角のある白い立方体を編む。
豆腐の美とはなにか。
日常のなかの宇宙をみる眼は、『無窓』に収録されている「豆腐」という短いエッセイが教えてくれる。筆者は、建築家の白井晟一 (1905-1983) 。親しみやすいテーマと思って踏み込んだらさいご、気がついたら白井哲学の真っ只中にほおりこまれる。そもそも、豆腐をじっくり眺めることだってないのに、豆腐に美はあるのか、と問い詰められる。
はたして、日本人の慣れ親しんだ食卓から宇宙へと壮大に飛翔する白井晟一の思索力に圧倒される。ただ飛び立ったままでは終わらない。さいごには、ちゃんとお椀のなかに話が戻る。箸で切りわける豆腐一片には、作為のない生活に宿るスケールがあることを見つける。ここに近代建築に対して生涯批判的な立場をとった白井晟一の哲人建築家としての眼差しがある。それに何となく懐かしさと安心を感じてしまうのだ。
職人が手で漉いた和紙を素材に、裂いて編んだ紙の立方体をつくってみた。どこか豆腐づくりに似た過程があるかもしれない。豆腐のようにみえて豆腐ではない、日常からすこしだけ宇宙へ浮いた姿になった。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ 白井晟一『無窓』(晶文社)
◇ 白井晟一『白井晟一 精神と空間』(青幻舎)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。