Simone Weil | シモーヌ・ヴェイユ
Bibliographic Details
- Title
- Simone Weil | シモーヌ・ヴェイユ
- Artist
- Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
- Year
- 2023
- Size
- h570 × w80mm
- Materials
- Color Plan(textured paper), FS T Carape Marine Pink(ultra-thin paper) / カラープラン、 FS T カラぺ マリン・ピンク
- Edition
- Unique
- Condition
- New
Includes booklet explaining the work / 作品解説冊子付き
精神や社会の中にある
重力の存在を見つめたヴェイユに捧ぐ。
横たわった紙を持ち上げてほしい。
ヴェイユ (Simone Weil / 1909-9143) は驚きに満ちた考えを与えてくれた一人。そしてそれは、苦しみのなかにも精気を持つきっかけを与えてくれる。
日頃は忘れがちだけれども、私たちは重力に支配されている。それは身体だけのことではなく、精神や社会的な関係においても、あらゆる力が作用していることを忘れてはいけない。ヴェイユは、その重みに対してそのままじっと待機し、見つめ続け、ほとんど不在になるほどの状態になったときこそ、生の創造へと転換するダイナミズムがあることを説いた。
工場での奴隷的な労働を経験したヴェイユだからこそ、その先の精神に与えられる創造性へと思考を進めることができたのだろう。そんなヴェイユに倣って、紙にとっての力の自覚と恩寵の実在を、見つけてみたかった。
横たわった紙を持ち上げてみてほしい。紙に対する私たちの圧倒的な力。そして、かかる重力を感じて、さらに持ち上げて欲しい。紙が地上から離れるまさにそのとき、天空と地上をつなぐ梯子のように、中間状態で均衡する。
天から降り注ぐ太陽光、それを燦々と受ける樹木や生命を育て田畑を耕す人間のように、力強い生命を紙に見いだすことができないだろうか、と。
Text by Rivotorto Pieces
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<参考文献>
◇ シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』(岩波書店)
◇ シモーヌ・ヴェイユ『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』(河出書房新社)
◇ シモーヌ・ヴェイユ『神を待ちのぞむ』(河出書房新社)
◇ フロランス・ド・リュシー『シモーヌ・ヴェイユ』(白水社)
【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。
【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。
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フラジャイル博覧会
Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
→展示アーカイブを見る
Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。