画家の土人形
Bibliographic Details
- Title
- 画家の土人形
- Artist
- Anonymous / 作者不明
- Year
- 1912~26 / 大正時代
- Size
- head: h70~85 × w40mm d40mm, Stand: h100 × w52 × d52mm
- Weight
- 475g
- Materials
- unglazed clay, wood
- Condition
- Pedestal and head are not fixed./ 台座とカシラは固定されていません
Total 11 types=11 pieces, 全11個セット
猿、翁、般若…
チェスの駒みたいに並べる
十一頭の土人形。
大正時代に持ち主である画家の印刷所が火災に遭い、その焼け跡から拾い上げられたと言う土人形。この11体をまとめて手に入れたときに、教えて貰ったエピソードですが、土人形は煤けてはいない。実際に火事の焼け跡から拾われたのかは半信半疑ですが、次の持ち主への伝言ゲームがうまくいくのだろうかと、ちょっと不安になって、立ち止まって考えてみたくなってしまいます。
エピソードを訝しげに思いながらも、台座に土人形のカシラを1つずつ据えてある、その現状は、動かしようのない事実です。「ま、作り話でもいいか」と思えてしまいます。そして、この逸品を評価していることに嘘偽りはありません。その状態に惹かれたのであれば、古物の勝ち。エピソードが作り話しだったとしても、霞がかかっていた古物に奥行きがあらわれ出て、それはそれでまたたのしみと思っているのです。
Text by 都築重則