[新版] 傘下/立花文穂
Bibliographic Details
- Title
- [new edition] under the umbrella / [新版] 傘下
- Author
- Fumio Tachibana / 立花文穂、Hidehisa Tachibana / 立花英久
- Translator
- ミヤギフトシ/ベン・デイビス
- Editor
- Osamu Kushida / 櫛田理
- Designer
- Fumio Tachibana / 立花文穂
- Images
- Photo by Fumio Tachibana / 立花文穂
- Publisher
- BON BOOK (TOPPANクロレ)
- Year
- 2024
- Size
- h210 x w150mm
- Weight
- 220g
- Pages
- 168 pages (64p color print) / 168頁(カラー64頁)
- Language
- English & Japanese / 日英
- Edition
- 2500 copies / 限定2500部
- Condition
- New
- ISBN
- 9784910462264
あの惨禍から79年。
ぼくの家族の本のはなし。
広島平和記念公園の慰霊碑の地下には100冊を超える原爆死没者名簿が安置されています。毎年、地下から取り出し「風通し」をおこない、その年にあらたに亡くなった被爆者の名前を書き加え、8月6日に戻します。2024年は、あらたに4100人の名前が記帳されました。
かつて立花さんのお父さんはその何冊かの「名簿」を担当した製本職人でした。数年前まで広島市にあった父の製本所が閉じたあと、美術家の立花文穂は広島と東京を写真におさめ、兄の演出家で彫刻家の立花英久は小説「親愛なる日記へ」を書きおろし、この本が生まれました。帯に「ぼくの家族の本のはなし。」と手書きしているように、これは立花家が家族で広島と向き合った本なのです。
ところで、「傘下」とはいかにも立花さんらしい二字熟語で、これまでも「球体」や「印象」や「機会」など、独特の編集感覚で2つの漢字の組み合わせを再発見してきました。水戸芸術館で開催した「印象」展をふりかえった図録『余印(球体12)』の表題もやはり名調子でした。この感覚、最近では折坂悠太が気づいているかもしれないとか。
本書は、立花文穂が自ら製本・刊行した350部の限定版「傘下」(2020年刊)を底本としつつ、全編を英訳した日英対訳版として新装復刊するものです。
Text by 櫛田 理
-
<展覧会情報>
立花文穂展「傘下と幽霊」
8月6日(火)〜18日(日)※8月12日(月)休業
於:森岡書店
2020年に発表した写真集「傘下●立花文穂」が、ことし8月にBON BOOKから新版(英語対訳版)として出版されます。同時に、「書体」「傘下」につづく広島をテーマにした本「幽霊●立花文穂」をじぶんで製本して作りました。新しく生まれ変わった「傘下」と新しく生まれた「幽霊」を森岡書店でお披露目します。
立花文穂
-
立花文穂 Fumio Tachibana
1968年、広島市生まれ。アーティスト。文字、紙、印刷、本を主な素材、テーマとして作品を制作。雑誌『球体』をはじめとした独自の本や印刷物をつくりだす一方で、美術作家として美術館やギャラリーでの展覧会も行っている。最新の写真集に『傘下』さんかがある。2020年12月13日まで群馬県立近代美術館での「佐賀町エキジビット・スペース1983-2000」展に参加している。